やこーさんの備忘録

音楽関連についての備忘録

ブラームス Vier Quartette Op.92

今日聴く作品は、ブラームス作曲の「4つの四重唱曲 Op.92」

1. O schöne Nacht(おお、美しい夜)

2. Spätherbst' (晩秋)

3. Abendlied (夕べの歌)

4. Warum (なぜ?)

の4曲である。

作詞はそれぞれ、ダウマー、アルマース、ヘッベル、ゲーテである。

 

パート構成はSATB+Pfの四重奏曲。合唱音源も数多く(というか合唱がほとんど)存在している。

 

出版譜の解説(英語)くらいしか情報が出てこなかったのでそこをちょっと読んでみる。

 

この曲は1884年12月に出版された。その年はブラームス交響曲第4番を作曲しはじめた年らしい。だがこの曲が作曲されはじめたのはもう少し早く、1877の夏だと言われている(この年は交響曲第2番の作曲を終えた年らしい)。そこからどの年に何が作られたかは正確にはわからないが、おそらくNo1の"O schöne Nacht"は最初に作曲されたわけではなさそう。「夜想曲」と関連があるらしい(英語読むのめんどくさい)。

1曲目の"O schöne Nacht"は新鮮な春の夜を輝かしいE-durで書いている。

2曲目の"Spätherbst"は、深い憂鬱感の中の秋を、平行調のe-mollで書いている。

これらの2曲はテンポも拍子が3拍子的なところも似ている。それに、2曲目の最後がE-durの音で終わるのも1曲目へのループを想像させる。

3曲目、4曲目はどちらも4拍子でスタート。3曲目(F-dur)から4曲目(冒頭のPfはF-dur)へのつながりもある。

1~3曲目のAndante(歩くような速さ)との対比で、4曲目の"Warum"はLebhaft(活き活きと)で、興奮させるようなPfもあり、重要な意味があるように思う。

"Warum"の冒頭の歌詞"Warum doch erschallen himmelwärts die Lieder?"(なぜ歌という歌は天に向かって響き渡るのだろうか?)は1-3曲目のエピローグっぽい。1,2曲目は天国について歌い、3曲目は上向きの動きがある詩である。3曲目の最後のピアノのアルペジオが1曲目の冒頭のピアノを連想させ、1-3曲目を繋げるような想像をさせる。

 

のような事が書いてある。

 

個人的には、1曲目の最初で「おとぎ話のような空に月が輝いて、周りで星がきらきらしている」的な詩を歌った後に、4曲目の後半の6/8になるところで、「なぜ歌という歌は天に向かって響き渡るのか?」という問いへの答えのように「天できらきらゆらめく星たちを下へと引き寄せたい 月の女神の甘い抱擁を受けあたたかな神々に祝福された喜びの日々へと私たちは導かれてゆく」と、月と星の話を出すのが、曲集全体での一体感を感じていい構成だなと思った。

 

1曲目がドイツロマン派〜〜って感じがしてとても美しい。2曲目は3連符と8分が入り乱れるリズムになっていて、どこか不思議な、つかみどころのないような印象。歌詞に灰色の霧が辺りを覆っていて、空が暗く泣き出しそう、のようなことが書いてあるから、憂鬱なモヤモヤ感を表現したのだろうか。3曲目はどこか楽しそうなリズムのところと、Pfが落ち着いてやや力強くなったり弱くなったりするところが、歌詞との対比が面白い。4曲目はなんといっても冒頭の問いの部分が激しいのが、ただの疑問というより訴えに近いものを感じる。

 

というような曲でした。気になる方は是非調べてみてください。

しばらくブラームス色々聴いてみたいのと、ブラームスについても調べてみようかなとか。